『鬼滅の刃』に登場する上弦の参・猗窩座（あかざ）は、圧倒的な強さと悲しい過去を持つ鬼として、ファンの間でも特に人気の高いキャラクターです。
彼の最期は、ただの敵キャラの死では語れない、切なさと涙に満ちた名シーンとして語り継がれています。
本記事では、猗窩座がなぜ死亡したのか、その理由と背景、さらに多くの読者や視聴者が「最も泣いた」と語る壮絶な死亡シーンを徹底的に解説します。
猗窩座の死亡理由を徹底解説！史上最も泣いた壮絶の死亡シーンまとめ
猗窩座の死は、鬼滅の刃という作品において「鬼であっても元は人間である」というテーマを象徴する出来事のひとつです。
敵でありながら、多くの読者から同情や共感を集めたキャラクターであり、その死には切なさと静かな救いが同居しています。
鬼殺隊にとっては強敵であり、煉獄杏寿郎を失った原因でもありましたが、彼の過去や死を通して「生きる意味」「大切な人を守るという信念」の重要さが改めて浮き彫りとなりました。
そんな猗窩座の死亡理由や死亡シーンについて、以下より詳しく解説していきます。
無限城での再登場と炭治郎・義勇との再戦
猗窩座は「無限城」での決戦の場で再登場します。かつて煉獄杏寿郎を倒した実力者として、上弦の参として登場。
鬼殺隊最強格の一人である水柱・冨岡義勇と、成長した炭治郎の二人を相手に激しい戦いを繰り広げます。
この時の猗窩座は、より一層進化した技「破壊殺・滅式」などを使いこなしており、二人を圧倒する力を見せつけますが、炭治郎も「透き通る世界」に入り込み、猗窩座の動きを読み始め、徐々に形勢が変わっていきます。
炭治郎の成長と「透き通る世界」による反撃
炭治郎は戦いの中で、無意識に「透き通る世界」に突入し、猗窩座の体の構造や気配の流れを把握します。
これによって猗窩座の攻撃をかわし、反撃の一太刀を与えることに成功。
さらにヒノカミ神楽（後の「日の呼吸」）を極めていく中で、猗窩座に致命的なダメージを与えていきます。
猗窩座はこの時、「なぜ自分が負けそうなのか」「なぜ体が崩れていくのか」に戸惑いを覚えるようになります。
過去の記憶と人間時代の自分との対峙
炭治郎の刃が深く届いたその瞬間、猗窩座の中に眠っていた人間時代の記憶がよみがえります。
本名は「狛治（はくじ）」。病弱な父を助けるためスリを繰り返し、道場の師範と娘・恋雪との出会い、そして婚約、幸せな時間。
しかし、道場の主が毒殺され、恋雪も命を落とすという悲劇により、狛治は絶望し鬼となってしまったのです。
この記憶は長年封じ込めていたものでしたが、炭治郎の言葉や心の強さに触れたことで、自分が守りたかったもの、自分がなりたかった人間像を思い出します。
自ら再生を拒否し、塵となって消滅
人間時代の人格が覚醒したことで、猗窩座は鬼としての「不死性」を自ら拒絶します。
首を斬られてもなお再生し続ける体に対して、「やめろ」「もういい」と言い聞かせ、鬼としての再生能力を断ち切ったのです。
その結果、猗窩座の体は崩れ落ち、塵となって消えていきます。
最期の瞬間には、亡き恋雪の姿が彼の前に現れ、微笑みながら「おかえりなさい」と声をかけるという幻想が描かれます。
この演出は、彼の魂がようやく救われたことを象徴しています。
猗窩座の生涯を徹底解説
壮絶な死を遂げ、小雪と再開できた猗窩座・・・鬼であり敵ですが、もっと読者に愛された鬼とも呼べる猗窩座。
ここでは、そんな猗窩座の生涯をまとめました。
狛治という一人の青年としての過去
猗窩座の本名は「狛治（はくじ）」で、彼は元々、病弱な父親を支えるため、幼い頃からスリや喧嘩を繰り返して生きていました。
決して悪意があっての行動ではなく、すべては父を養うための手段でした。
しかし、父は自分のせいで狛治が罪を重ねていくことに耐えきれず、ある日、首を吊って自ら命を絶ってしまいます。
遺書には「真っ当に生きてくれ」とだけ記されており、これが狛治の心に深い傷を残します。
絶望の中で放浪していた狛治は、ある日「慶蔵（けいぞう）」という武道家と出会い、彼の道場で居候として暮らすことになります。
慶蔵の一人娘「恋雪（こゆき）」もまた重い病を患っていましたが、狛治の手厚い介護によって徐々に回復していきます。
やがて恋雪と恋仲になった狛治は、彼女と結婚する約束を交わすほどの幸福を手に入れます。しかし、幸せな日々は長くは続きません。
慶蔵の道場が他流派に妬まれ、毒を盛られたことで、慶蔵と恋雪は命を落としてしまうのです。
愛する者すべてを失った狛治は激しい怒りに身を任せ、敵対道場の67人を素手で皆殺しにしてしまいます。この瞬間から、彼の運命は大きく狂い始めました。
鬼への転落と「猗窩座」の誕生
すべてを失い、自暴自棄となっていた狛治の前に現れたのが、「鬼舞辻無惨」でした。
無惨は彼の圧倒的な戦闘力と憎悪の深さに目をつけ、鬼としての道を提示します。狛治は「強さ」を追い求める本能のままに鬼化し、やがて十二鬼月・上弦の参「猗窩座」へと変貌を遂げます。
鬼となった猗窩座は記憶を失い、人間だった頃の名前や感情をほとんど思い出せないまま、ただ「強さ」だけを追い求める存在として生きるようになります。
彼にとっての生きがいは「武を極めること」になり、弱い者を嫌い、強者との戦いにしか価値を見出せなくなりました。
しかしその根底には、失った恋雪と慶蔵への想い、そして「守れなかった自分」への深い自責の念が隠れていたのです。
煉獄杏寿郎との死闘とその影響
物語本編で初めて猗窩座が登場するのは、「無限列車編」においてです。炭治郎たちを守るために現れた炎柱・煉獄杏寿郎と、猗窩座は壮絶な死闘を繰り広げます。
猗窩座は煉獄の強さに惚れ込み、鬼になって永遠の強さを手に入れようと勧誘しますが、煉獄は「人の命は限りあるからこそ美しい」と真っ向から否定します。
この戦いは、猗窩座にとっても大きな転機となりました。最終的に煉獄を死に至らしめることに成功しますが、決して心は晴れず、その後の彼はどこか迷いを抱え始めるようになります。
この出来事は、鬼としての猗窩座に「揺らぎ」を生み出し、後に彼が自らの過去と向き合う大きな伏線ともなりました。
炭治郎と義勇との戦い、そして自壊
物語終盤、猗窩座は炭治郎と水柱・冨岡義勇の2人と激突します。激しい戦闘の中で、炭治郎の言葉や、煉獄との記憶、そして失われた「人間としての心」が次第に蘇っていきます。
かつての名「狛治」を思い出した猗窩座は、自分が本当は何のために強さを求めていたのか、なぜ人を殺してまで力に固執してきたのかという問いに直面します。
そして、鬼となってから消えていた「恋雪」や「慶蔵」の幻影が彼の前に現れ、「もう充分だよ」と彼に語りかけるのです。
猗窩座はその言葉に涙し、「自分はもう強さを追い求める必要はない」と悟ります。
そして、自らの体を崩壊させることを選び、静かに命を終えました。鬼の中でも数少ない、「自らの意志で死を選んだ存在」でもあります。
まとめ
猗窩座の死は、単なる悪役の最期ではなく、彼の過去や苦悩、そして人間としての名残を描いた、非常に重く深いシーンでした。
過去の恋人や師匠との記憶が蘇り、再び「人間」としての心を取り戻したことで、彼は自らを消滅へと導いたのです。
鬼としての強さだけでは測れない、悲しくも美しいラストは、多くの読者・視聴者の涙を誘いました。
猗窩座の死は、鬼滅の刃という物語の中で「人の心の強さとは何か」を改めて問いかける名場面となっており、彼の生き様と死に様が多くの人の心に深く刻まれたことは間違いありません。
